夕暮れ
西陽が 足元に 絡み付く部屋で
家路を急ぐ人たちの 足音を聞く
人はみな 自分の生きる所を
探しているけれど
僕はただ 何もできずに
ガラス越しの空をみる
暖かな 坂道に 三輪車が一つ
いつもと同じ色して 夜を待っている
僕もあの 小さな影のように
蹲って 動けずに
行過ぎる 人たちのあとを
黙って見送るだけ
見上げれば いつか夕暮れ
僕もまた 気づくだろう
ガラス越しの 人の帰り道は
こんな所にもあったと